香川の病院 虐待継続伝達 品川児童相に 女児死亡の1週間前(引越し後)

香川の病院 虐待継続伝達 品川児童相に 女児死亡の1週間前(引越し前)の続きです。 このページの展開上、同じ記事を表示しています。 新聞の記事より引用です。(2018年7月16日 中日新聞)
香川の病院 虐待継続伝達 品川児童相に 女児死亡の1週間前 東京都目黒区で船戸結愛ちゃん=当時(五つ)=が親から虐待を受けて死亡する前、転居前に通院していた香川県の病院が、虐待の継続が疑われる診療情報を伝えるため、目黒区を管轄する品川児童相談所に直接電話で、連絡していたことが、児童相談所関係者への取材で分かった。品川児相によると、連絡があったのは、死亡する約1週間前。この時点で、即座に立ち入り調査や「臨検」を実施していれば、虐待死を防げた可能性がある。 小児科医らでつくる日本子ども虐待医学会によると病院側が転居先の児相に直接連絡を取るのは、極めて異例。対応を取らなかった品川児相の判断が改めて問われることになりそうだ。 品川児相によると、電話があった時期は、結愛ちゃんが小学校の入学説明会に現れなかった一月二十日の直後。電話で香川県の児相が一時保護を解除した後も、結愛ちゃんが通院していた病院であざなどが確認されていたことを初めて知ったが、あくまでも「情報提供」として受け止めたため、具体的な対応につながらなかったという。結愛ちゃんは三月二日、自宅アパートから病院へ搬送され死亡が確認された。 虐待医学会は事件後、再発防止のための検証を開始。香川県で結愛ちゃんが通っていた病院にヒアリングを実施し、病院が一時保護解除後も虐待が継続している懸念を強く抱いていたと判断した。
特に、この5歳の結愛ちゃんが覚えたてのひらがなで親に訴えた文字が余りにも哀れで、ショッキングで、涙を誘って、多少ヒステリックな論調が多いのですが、この悲しい事故を二度と起こさないために、少し冷静に見てみたいと思います。 虐待死した5歳女児の名前は船戸結愛(ゆあ)ちゃんです。 船戸ゆあちゃんを虐待死に追いやったのが父親の船戸雄大容疑者と母親の優里容疑者になります。 メディアの論調は、「目黒女児虐待死、品川児童相談所が香川県に責任転嫁」という見方が多く、3月に東京都目黒区の船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5)が虐待死した事件で、管轄の品川児童相談所の怠慢な対応が明らかになった。 「1月に結愛ちゃん一家が香川県から転居してきて以降、品川児相が船戸家を訪問したのはたった1度だけだった。 香川県西部子ども相談センターから「継続支援が必要な重大な事案」という引き継ぎを受けていたにも関わらず、20日間以上も放置されたのだ。 品川児相がもっと早く対応していれば、結愛ちゃんの死を防げたのではないのか。しかし、管轄区内で発生した痛ましい事件について、品川児相の林直樹所長の口から出るのは「弁解」の言葉ばかり。 結愛ちゃんを追悼する言葉さえ、最後まで出なかった。 記者がたまらず、「結愛ちゃんの死について、児相にまったく責任がないと言えるのか」と問うとやっと、「社会全体で救えなかったことは、社会の一員として申し訳ない」と答えたものの、あまりにも冷淡で血の通わぬ言葉の羅列に、しばし言葉を失った。」 ここでも、メディアのポピュリズムに迎合したような、表面だけのヒューマニズムというか、正義感というか、責めやすいものを責めるという安易な姿勢が見て取れます。 引っ越す前の香川県西部子ども相談センターでも、結愛ちゃんの死を防止できる方法がいくつか見逃されています。この父親に対しては、傷害容疑で2度も逮捕されて、書類送検されていますが、不起訴となっておとがめなしになってます。これらの見逃しには、全く目を向けず、深く考えることもなく、感情的に、目の前の責めやすいものを責める。本当のヒューマニズムなのでしょうか?冷静に考える必要があると思うのです。 確かに、品川児相での対応に改善すべきところはあります。 香川県善通寺市で発生した虐待と虐待対応に関する詳しい情報が品川児相に伝えられていたとすれば、品川児相が家庭訪問でこの女子児童との面会を拒まれた時点で、直ちに警察と連携せず最悪の事態を迎えてしまったことは、容認すべからざる品川児相の職務怠慢です。との言い分にも一理あります。 両者の言い分を並べると、香川県西部子ども相談センター側がこのやりとりについて「ケース移管」(継続調査などの公式な引き継ぎ)だったとする一方、品川児相は単なる「情報提供」だったとしているのだ。同センターの久利文代所長は次のように語る。 「(児童虐待のケースを)他自治体に送る方法としては、情報提供とケース移管という2種類の方法があります。情報提供は、緊急に対応が必要ではない、あまり大きな事案ではないもので、ケース移管は『継続支援』を求めるものです。 結愛ちゃんについてはケース移管として送りたい旨を、転居後の1月に都に電話で伝えており、ファックスで概要を送った後に、改めてファイル一式を送っています」 久利所長の見解に対し、結愛ちゃんのように一時保護が解除された状態でケース移管はできない、というのが品川児相の言い分だ。つまり、香川県西部子ども相談センターが「継続支援が必要」だと電話で伝え、ファックスや郵送で資料を送るなどして入念に支援を訴えたにも関わらず、「手続き上の間違い」を理由に、品川児相は情報提供程度のケースとしか受け取っていなかったのだ。香川県の再三の訴えは無視され、結果的に品川児相の判断は最悪の事態を招いた。 この部分については、少し検証をする必要があるようです。 ハフポスト日本版ニュースエディターのShino Tanakaさんの記事によると、HUFFPOSTからの引用です。
家族が香川から東京に転居する直前、香川の児童相談所は、それまで家族に介入する根拠にしていた行政処分(児童福祉司指導措置)を解除した。 これが、東京の児相との引き継ぎで行き違いが起きた原因になったと指摘されている。 転居によって、児相との関係が途切れ、虐待が悪化したり、子どもが死亡したりしてしまう事案は、これまで全国で何度もあった。今回も同じようなルートをたどっていた。 「親子関係の改善の兆しが見えていた」と、香川の児相が感じ始めていた2017年10月ごろ。 「父親の知り合いが多い東京に、引っ越します」 母親の優里被告がそう話すようになった。だが、児童の担当者がいくら聞いても転居先を決して教えない。保育園にも通わせないという。 一連の言動に、児相側は親子が再び社会から孤立し、虐待につながる危険性を感じていた。 にもかかわらず、2018年1月4日、児相は家族の転居直前に、それまで半年間ほど続けていた児童福祉司による指導を解除した。児相に何も告げないまま、父親の雄大被告が先に転居していた目黒区のアパートに、母親の優里被告は結愛ちゃんと弟を連れて行った。 1年半続いた児相と家族の関係は、解除と転居でほぼ切れてしまった。 危険性を感じながら、なぜ解除したのか。 県外への引っ越しのタイミングで指導措置を解除するのは、香川県が独自に設けた「ルール」だった。 結愛ちゃんの家族を担当していた「西部子ども相談センター」の久利文代所長は、引っ越しに伴う「解除」について、こう説明する。 「引っ越しすると、転居先の都道府県が、その家族の案件を担当することになるので、転居前の自治体としてはできるだけ、転居前に指導措置を解除する代わりに、強制力のない『継続指導』に切り替え、家庭訪問など、児相とのつながりを保ちながら転居先の自治体に案件を移すことにしている」 「転居後は、その家族が、香川にいたときと同様、『指導措置』をつけて対応するのか、それよりも軽い/重い措置に変えるのかは、転居先の自治体が判断することになる」 久利所長によると、近隣の自治体でも、家族転居前に解除するケースがあったといい、「指導措置の時に決めた約束も、違う環境では継続が難しくなる。そのために解除をしていた。解除だからといって決して終結というわけではない」と話す。 実際、家族が目黒区に引っ越したことを突き止め、初めて管轄の品川児相に初めて連絡を入れた1月29日、家族に関する書類を同児相に送った際、引き続き児相が介入していく必要があることを意味する「ケース移管」の項目にチェックを入れていたという。

ルール間の「はざま」

ところが、転居先の東京都の児相は当初「介入の必要性がある」とは受け止めていなかった。転居前の解除について、品川児相の林直樹所長は戸惑いを隠さない。 「転居前に虐待のリスクがあったとすれば、解除などしない。私の知る限り、都内、そして関東地方の児相で、転居前に解除するというルールは聞いたことがない」 指導措置を解除しない状態で他県に転居しても、転居した段階で、自動的に担当は転居先の自治体に移り、転出元の自治体の権限はなくなるーーと一般的には理解されている。 このため、大半の自治体では、引っ越しの際も、必要なら指導措置を解除しないまま引き継いでいる。 だが、香川県の児相の「指導措置」の解除で、転居先の品川児相は、この家族に関する虐待問題が解決していると理解した、と説明する。このため「虐待事件としてのケース移管ではなく、単なる情報提供」として受け止めた。 対して、今回の事例について、香川県は「決して終結したケースではない」と話す。独自ルールで、指導措置を解除していても、東京都でも引き続き児相が関わるべき案件として認識していた。 事件の発覚後、この引き継ぎの齟齬が問題視された。 品川児相の林所長は「香川側は、指導措置を解除しながら、ケース移管と位置づけていた。だが、事案が「終結」しているのなら、関わりを持つ必要性は低くなる。このため、転居前に児相が関わっていたという、単なる「情報提供」として受け、品川で新たに会議をして虐待ケースとして対応することに決めた」という。 厚生労働省虐待防止対策室の担当者は、今回のケースについて「国のルールが不明瞭だったこともあり、自治体の間にルールの違いが生まれ、(被害児は)そのはざまに落ちたといえる」と話す。

不可解な点

この時期、2つの児相がとった動きからは、不可解な点がいくつか見えている。
1月23日:家族が目黒区に転入していたことを、香川の児相が把握。 1月29日:香川の児相から品川の児相に電話で連絡。電話を取った品川の職員は「指導を続けるなら措置を解除しないでおいて」。この電話の後、資料をまとめて送付。 1月30日:再度電話でやりとり。品川の職員「どこまでできるか分からないが、対応を考える」。品川児相が緊急の受理会議。「虐待ケース」として受理。と決め、児童福祉司2人が担当に。この前後、品川の担当者から香川の担当者に「この家族のケースは『情報提供』ですか。『ケース移管』ですか」とのやりとりが2度ほどあった。 1月31日:「(虐待ケースとして)受理しました」と品川から香川に連絡が入る。
23日に、家族の転居先を把握していながら、香川の児相が品川の児相に連絡を入れたのは6日後の29日だった。
2月7日:香川の児相が父親の携帯に連絡。 2月9日:品川の児相の担当者が自宅を訪問。 2月20日:入学予定の区立小学校の入学前説明会。連携していた区子ども家庭支援センターから「子どもが来ていない」と、品川児相に連絡が入る。
品川児相の対応からも、対応に時間がかかっていたことが見て取れる。 1月30日に緊急受理会議を開き、虐待ケースとして対応していくことを決めたまでは迅速だったが、品川児相の担当者2人が初めて自宅を訪問したのは、10日後の2月9日だった。 このとき、自宅には母親と弟がいて、担当者と話をした。だが、結愛ちゃんについては、母親は「でかけている」とだけ答え、「あまり児相とは関わりたくない」といった趣旨の意思表示をしたという。会うことができないまま、3月3日に亡くなるまで姿を確認することはなかった。
母親・優里被告のFACEBOOKより
船戸結愛ちゃん

病院の焦り

小学校の入学前説明会の前後、結愛ちゃんと母親が育児支援の名目で通院していた小児病院の主治医から、品川児相に電話がかかってきた。 「香川で負っていたけがの情報を伝えたい」。 医療機関から直接、転居先の児相に過去の子どもの虐待情報が伝えられること自体、異例だった。 父親と同居していたとき、けがが絶えなかった結愛ちゃんを診ていた経験から、転居して、父親と合流することで虐待が再発することを、医師は懸念していた。「以前、虐待としか考えられない、命に関わるけがをしていた」。品川児相の担当者にそう伝えた。 2月28日、品川児相からこの病院に診療記録などの提供を求められた。資料が到着したのは、結愛ちゃんが亡くなった3月初旬だったという。

引き継ぎをどう受け止めたのか

初訪問まで10日かかった点と、2月9日の初訪問から死亡するまで、品川児相が結愛ちゃんに接触しなかった点について、林所長はこう話す。 「香川県の児相からすべての資料が届いたのが2月2日。すべて読み込みながら、どういう対策をとればよいかを担当者が考える時期だった」 「私どもとしては、新しく関わっていく家庭なので、対応を考えたうえでこれからも支援やケアという形で適宜関わらせていただこうと思った」 2月20日、小学校の入学前説明会に、結愛ちゃんが来ていないと連絡が入ったことは、児相が家庭とつながるチャンスだったとも言える。そしてこの前後には、香川県の病院からも連絡が入っていた。 だが、品川児相から、この時点で、家族に改めて連絡を取ることはしなかった。 この時、連絡を取らなかったことについて、林所長は次のように説明する。 「この時点では(児相と両親の間で)関係ができていなかったため、電話では表情が見えにくいなどの点から、電話連絡は見送ることにした」 次回の家庭訪問は、3月上旬あたりと考えていた。担当者の間で「すぐに会うべき事案ではない。確実に直接、親子と接触する機会を作れないか」と、家庭訪問のスケジュールなどについて話し合いをしていたという。 「単に会えないだけだと、立ち入るべきケースなのか判断が難しい。近隣からの通告もない。『衰弱していた』などの情報があれば、違ったかもしれない」 一方で、林所長からは、次のような言葉も出ていた。当時、品川児相がこの家族について虐待の危険性が高いとは受け止めていなかったことが覗える。 「常に忙しい状況ではあるが、それを言い訳に対応を怠ったのではない。他のケースでも同じように対応していた」 「資料からは、緊急度が高いと推測できる要素がなかった。資料だけでは重要性が判断しにくかった」 「最初、香川からの連絡を『情報提供』として受けとめていたので、仮に人手が十分いたとしても、頻繁に会うようなケースではないと、判断した」 「重大なことになっているとは思っていなかった。家庭内で深刻化していても分からないし、どういう親子関係か推測しにくかった」 「緊急度が高いと判断できるケースであれば、違う対応だったかもしれないが、推測が難しかった」 この事件が起きるまで、国として転居時の引き継ぎについて、明確なルールはなかった。結愛ちゃんの虐待死事件を受けて7月20日、緊急総合対策が閣議決定された。

全国ルールが変わった

このなかで、香川と品川のような、転居時のケース対応の行き違いを防ぐため、次の事項が「全国ルール」として統一されることになった。 ①全ケースについて、虐待が原因のけががある事案など、緊急性の判断の結果をケースに関する資料とともに、書面などで移管先へ伝える。 ②緊急性が高い場合には、原則、対面等で引継ぎをする。 ③移管元は引継ぎが完了するまでの間、児童福祉司指導等の援助を解除しない。移管先は援助が途切れることがないよう、速やかに移管元が行っていた援助を継続する。

年々増加する虐待相談件数

また、2017年度中に全国210カ所の児童相談所が受けた相談件数は、 13万3778件となり、過去最多だった。厚生労働省が8月30日、発表した。 年々増え続ける虐待相談件数。2017年度は、前年度に比べて1万1203件(9.1%)増え、27年連続の増加となった。

全国で77人が虐待で亡くなっている

同日、厚労省は2016年度に全国で起きた虐待死についても発表した。 全国で亡くなった子どもたちは、67件で77人だった。 虐待死のうち、身体的な虐待は27人、十分な食事を与えないなどのネグレクトは19人。無理心中は18件、28人いた。 また、2016年4~6月の3カ月の間に、児童相談所が受理した重大事例は14人。いずれも、命の危険に関わる傷を受けていたり、衰弱死の危険性があったりする事案だった。 うち5例はけがをする前に児童相談所で関与しており、4例は市町村の関与があった。このほか、2018年6月1日時点で、全国で所在が確認できていない児童が28人いる。 今回、結愛ちゃんを最後に担当した品川児相の林所長は、次のように話している。 「児童相談所は、子どもを守る最前線ではあるが、すべてが児相だけでできることではない」 この事件の検証は、東京都や香川県によって進められており、今年度中にも結果が出る見通しだ。 年間で死亡した子どもは結愛ちゃん1人だけではない。1週間に1人以上が、虐待で亡くなっている。この数は、社会に対しての覚悟を問いかけている。
品川児童相では、移管されたファイル一式の情報を把握して、一時保護が解除された状態ということも把握しているはずです。書類で、一時保護が解除された状態である以上は、緊急性は去ったと判断することが、通常のマニュアルであれば、1回は自宅を訪問しています。自宅を訪問して、本人に会えないことも頻繁に発生しています。これが日常の仕事であれば、さほどの失態ではないのではないかと思うのです。いつものように取り扱っただけ。マニュアル通りに取り扱っただけ。悲劇は、痛々しい、メモを残して、死亡事故が起こることを予見していなかっただけ。 数多く発生する事故の1件が、センセーショナルに報道されたことが、品川児童相の悲劇だったのでは。 品川児相の林直樹所長は4月に杉並児童相談所長から異動してきたばかりで責任者としての記者会見です。 自分が担当する前の事件にしても、きちんと回答をしています。 「常に忙しい状況ではあるが、それを言い訳に対応を怠ったのではない。他のケースでも同じように対応していた」 「資料からは、緊急度が高いと推測できる要素がなかった。資料だけでは重要性が判断しにくかった」 「最初、香川からの連絡を『情報提供』として受けとめていたので、仮に人手が十分いたとしても、頻繁に会うようなケースではないと、判断した」 「重大なことになっているとは思っていなかった。家庭内で深刻化していても分からないし、どういう親子関係か推測しにくかった」 「緊急度が高いと判断できるケースであれば、違う対応だったかもしれないが、推測が難しかった」 状況としては、理解できる説明です。 本音を言えば、俺が来る前の出来事であり、いつもと同じように処理をされているのに、なんで、俺がこんなに責められなければならないのか?そして精一杯の本音が出るのです。「社会全体で救えなかったことは、社会の一員として申し訳ない」と。それに対して、「あまりにも冷淡で血の通わぬ言葉の羅列に、しばし言葉を失った。」と極悪人に仕立て上げて、表面上のヒューマニズムを振りかざし、相手を責めて、記事として拡散させて、犯人探しをして留飲を下げて、一件落着という、やり方に疑問を持ちます。 だからといって、品川児童相を擁護するものではありません。同じ悲劇を起こさないために、一時の感情で終わらせるのでなく、一体、何が原因なのか?どこに問題があるのか?掘り下げてみたいのです。 引越し前のページで書きました。ハインリッヒの法則です。この法則の29件は何だったのか? この29件のうちの一つがあります。 品川児相は1月30日に緊急受理会議を開き、虐待ケースとして対応していくことを決めています。 2月2日に香川県の児相からすべての資料が届いて、その資料を読み込んで対応策を担当者が考えていた。 2月9日 結愛ちゃん宅へ初訪問するが、母親に断られて、門前払いされている。 2月20日 小学校の入学前説明会に、結愛ちゃんが来ていないと連絡が入った。そしてこの前後には、香川県の病院からも連絡が入っていた。 2月28日 品川児相からこの病院に診療記録などの提供を求めた。 3月3日 結愛ちゃん死亡 3月初旬 結愛ちゃん死亡後に、香川県の病院から診療記録が届いた。 香川県の病院からの連絡については、 「結愛ちゃんと母親が育児支援の名目で通院していた小児病院の主治医から、品川児相に電話がかかってきた。 「香川で負っていたけがの情報を伝えたい」。 医療機関から直接、転居先の児相に過去の子どもの虐待情報が伝えられること自体、異例だった。 父親と同居していたとき、けがが絶えなかった結愛ちゃんを診ていた経験から、転居して、父親と合流することで虐待が再発することを、医師は懸念していた。「以前、虐待としか考えられない、命に関わるけがをしていた」。品川児相の担当者にそう伝えた。 香川県の主治医から、危険性を感じ、わざわざ、品川児相に電話で連絡したと事。この主治医の対応に、賞賛と感謝を言う人は少ないのですが、離れた行った患者のことを考えて、対応してくれる医者が、日本にいてくれたこと。この時代に、医は仁術ということを実践してくれているお医者さんがいたことに、驚嘆を覚えるとともに、このお医者さんの名前は、公表されていなくて、かつネットにも出ていませんが、本人が望まないのであれば別ですが、名前を公表して、賞賛と感謝をすべきなのです。 品川相の対応ですが、通常は考えられないような、引っ越し前の主治医から電話を受けて、説明を受けたにもかかわらず、診療記録を要求して、その記録を見てから判断しようとしたのか、危機感を全く感じていません。 この電話をだれがうけたのか?そしてこの電話の報告は、判断ができるマネージャーか林直樹所長に伝えられたのか?その職場の責任は、長である、林直樹所長にあることは、明白なのですが、原因を調べるときに、責任者の責任を追及するだけでは、本当の原因や防止策は出てきません。その組織の長は、最終的に、辞任なりの責任を取ることはありますが、それは、組織内の失態の原因と結果が出た後で行うことが一般的です。今回のケースは、主治医からの電話が、品川相の中で、どのように処理をされたか、放置されたかは、正確に調べる必要があります。 電話を受けた職員が、いつもとは全く違う、方法での連絡です。虐待のケースとして取り扱っているにもかかわらず、訪問し、本人には会えなくて、門前払いを受けていることは、記録から分かるはずです。これらの記録をみて、普通にはあり得ない医師から電話連絡があったことを重要事態と受け止めたか、一般の連絡の一種として、指導ファイルに「担当医者から連絡あり」とでも個人情報として追加しとけば良いと考えのか? 一般的に言えることは、通常業務をこなしていると、マンネリになり、感性が鈍いままに、怒られるまで、気が付かない。言われるまで気が付かない。緊急事態に気づくことがありません。同じ情報でも勘が鋭い、担当者なり管理者が、これはえらいことになるぞ!!と気づいて騒ぎ始めることが多いのです。 主治医からの電話があった後の品川児相の受け止め方、その後の対応を詳しく検証しなければなりません。ここに大きな問題があるような気がします。 もちろん、最初に訪問した時に、本人会えず、門前払いを食らっています。虐待ケースとして取り扱っているにもかかわらず、時機を見て、再度訪問しようというわけです。数多い虐待があるので、一人の確認のための訪問にそんなに時間がかけられないと言い訳があるでしょう。虐待の場合は、いつ殺されるか分からないのです。既に死んでるかもしれない。明日かもしれない。1か月後か、殺されずに済むこともあるでしょう。 予測のつかないことに対して、人間は、ルーズになります。訪問した担当者は、いつものように、マニュアル通りに訪問して、門前払いを受けても、マニュアル通りに引き返したわけです。これでは、人の命は救えません。マニュアルや、危機管理の欠陥です。ここに重大な問題があります。 必ず、本人の安否確認ができるように、方法を変えれば良いのです。家に入らせてくれない場合は、警察に来てもらって、強制力をもってでも、確認するように法律なり、システムを変えれば良いのです。 私ならば言います。本人の安否確認ができない以上は、帰れないのです。そのように法律で決められています。安否確認を拒否する親も、法律上罰則が科せられます。だから、今すぐ本人に会わせてください。嘘を言うのが嫌だというのであれば、嘘でないように法律を変えたらいいのです。 もしくは、今日、本人の安否確認ができないまま帰りますが、明日、本人を連れて、児童相談所へ出頭してください。児童相談所へ虐待のケースでフォローされていますので、本人を連れて出頭しない場合は、逮捕されます。 どんなことをしてでも、虐待から人の命を救うという強烈な気持ちがあれば、やりようは色々あります。それだけの強烈な気持ちを持っている相談員がいるのでしょうか?マンネリで、業務の一環になっているのではないでしょうか? 人の命を救うためであれば、現状に泣き言をいうより、法律を変えてでも、虐待から命を救いましょう。 このような、社会的な問題になると、個人の責任より、社会が悪い、システムが悪いと指摘する意見が出てきます。児童福祉司が圧倒的に足りないので、目が行き届くわけがない。結愛ちゃん事件は多くの事故の中の1件にしか過ぎないのだと。 結愛ちゃん事件が、あまりにもセンセーショナルに社会の問題として取り上げられたので、内閣では、児童福祉司を2,000人増員するようにしたとの報道を見ました。多分、何の効果もないと思われます。 言論テレビの討論番組で、作家の門田隆将氏は以下のように指摘しています。(引用先)
「児相と警察はその成り立ちからして組織の特質、DNAが違います。児相の人はこの番組を見て怒るかもしれないけれど、 児相にとって(結愛ちゃん事件は)普通のことです。警察は命を守る組織です。結愛ちゃんの命を守ろうとする遺伝子を持っているのが警察です。 児相は親子関係、或いは家庭の在り方を修復するという遺伝子を持つ組織です。 だから自分たちの手元の情報を警察に通告して、子供の命を守ろうという発想が元々ないのです」 「児相は自分たちの専門性を高める、そのために要員増には大賛成と言うでしょう。組織の権限も拡大します。 しかし、それでは対応できないところまで日本社会はきています。警察と手を携えなければ子供の命は守れないでしょう」 児相の物理的能力を見ても子供の命を彼らに任せておくのは不安である。児童福祉司は全国で現在3000人強。品川児相の場合、児童相談員は、林氏によると25人だ。同児相がカバーするのは品川区(39万人)、目黒区(28万人)、大田区(73万人)で約140万人。25人でどうやって見守れるのか。後藤氏が指摘した。 「隠れているケースも含めれば毎日一人の子供が虐待死させられています。この苛酷な現実の前で児相の専門性もなにもないでしょう。 完全な敗北です。警察は全国に30万人、交番のお巡りさんは10万人です。彼らに、子供さんは元気ですかと声をかけてもらうだけで事情はかわります」
松島 ひろしさんのFACEBOOKには(引用先
虐待通報という国民の善意を土足で踏みつけているのが現在の児相職員達なんです! 児相職員に虐待を認定する能力もスキルもありません。 元々、児童福祉に関する国家資格なんて存在しません。 虐待の定義だって質問してスラスラ答えられる職員は少ないでしょう。静岡県中央児童相談所の一時保護担当係長の某は、私どもが証拠保全に立ち入った際に、専門であるはずの「一時保護に関する法定事項」を丸っきり解っておらずとんでもない事を説明し始めて、同席していた所長に「君は黙っていなさい」と制されました。 これが児童相談所職員の実態です。
これらの意見を聞いて、調べました。国として児童虐待のデータを持っているかどうか? ありました。 児童虐待防止対策について  厚生労働省のデータです。厚生労働省のリンク先のデータが、消去されたときは、こちらをクリックしてください。児童虐待防止対策について 全国の児童相談所への相談や、活動、よくぞ、ここまでデータを集めて整理したと驚くばかりです。 「平成 27 年度「居住実態が把握できない児童」に関する調査結果【全体版】 」では、35人が把握できていないことも分かっています。 何回訪問しているか、どのくらいの割合で警察に連絡しているか、すべて把握しています。 地方自治体の管轄下にある、児童相談所のデータがなぜ、管理監督の責任のない、厚生労働省で集められて整理されているか疑問ですが、データとしては、見事なものです。(すべてのデータが集められたかどうかは確認できません) ここで疑問が出てきます。 児童相談所は、子供を救うことが目的とされているのでしょうが、実態は、毎日の活動を報告することが目的になっていないでしょうか?活動のレポートを詳細に報告することが日常業務になって、レポート作成にエネルギーが要求され、本来の子供を救うということに対するエネルギーが矮小化していないでしょうか? このやり方で、人口に対する児童福祉士の数が足りないからと言って、対策としてどれだけ増やしても、結果は同じ事になります。 ザルを何枚重ねても上か水を灌ぐと、全部下に漏れてしまいます。水をふさぐことはできません。水をふさぐには、アルミか鉄の鍋が1枚あればいいのです。ザルのような児童福祉士をどれだけ増やしても、意味がありません。税金の無駄遣いです。 児童相談所の権限と責任が明確でない以上、やっていることは中途半端。児童相談所を地方自治体の組織でなく、厚労省の外局にして、権限と責任を明確にし、命の危険があるときは、立ち入りできる権限や、強制的に保護できる権限、また、警察と連携を取る権限を与えたら、その活動は全く異なるものになります。 その上で、絶対に忘れてならないことは、児童福祉士の怠慢や、失敗した時には、きちんと責任を取らせるようにしなければ、絵に描いた餅になります。 現在の日本の行政では、公務員は、自分の業務に対しては、どんな怠慢であろうと、どんな失敗に対しても、責任を取らなくてよいシステムになっています。この責任を取らなくて良い人たちに、権限だけを与えることは、危険極まりない社会となることを絶対に忘れてはなりません。 子どもの虐待を防ぐために、日本の将来のために、この提案を本気で考えてくれる政治家が出てくることを期待します。                

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