海洋プラスチック憲章に日本が署名しなかった件 2件
海洋プラスチック憲章というものがあります。下に2件の記事を引用しています。この記事を見て、私の意見です。
まず、「海洋プラスチック憲章」の考え方に、疑問を覚えます。海洋プラスチックが海を汚し、環境に大きな影響を与えていることは事実ですが、プラスチックを海に捨てる。海に流れて言うことが一番の問題なのです。
なぜ、この視点が抜けているのかが疑問なのです。海に捨てなければ、海に流れていかなければ、海洋プラスチックは問題ではないはずです。プラスチックの不法投棄、ポイ捨てが海洋プラスチックの元凶ではないでしょうか?
日本でも、ゴミの不法投棄には、重い罰則があります。
不法投棄は、廃棄物処理法という法律によって処罰される犯罪です。この法律によれば、個人でも法人でも1,000万円以下の罰金刑または5年以下の懲役刑が課され、未遂であっても処罰されるおそれがあります。
ゴミのポイ捨ても、早く、法制化して、罰則を作るべきなのです。ゴミのポイ捨ても、廃棄物処理法に包括されるのですが、
廃棄物処理法によると、「ごみ・粗大ごみ・燃えがら・汚泥・糞尿・廃油・廃酸・廃アルカリ・動物の死体・その他汚物・その他不要物」
と書いてあって、それぞれの品目の量が規定していないので、たばこの吸い殻のポイ捨てを廃棄物処理法で取り締まることも憚られて、不法投棄と、ポイ捨ての線引きが明確ではありません。量の区別が明確ではないのですが、とりあえず、まとまった量は、廃棄物処理法で対応、ごくわずかの量であれば、ポイ捨てと勝手に線引きしました。
ちなみに、シンガポールでは、ゴミのポイ捨ては、1000ドル(およそ11万円)の罰金です。シンガポールで出来て、日本で出来ない理由があるのでしょうか?少なくとも、法治国家であれば、その意志さえあれば法制化は可能です。要は、そうしたいか、したくないのか、なのです。
ゴミの不法投棄、ゴミのポイ捨てに罰則で取り締まったら、かなりのゴミが海にたまることはありません。この活動を、世界レベルで広げて、「海洋プラスチック憲章」ならば、理解ができますが、ゴミの不法投棄、ゴミのポイ捨てに罰則で取り締りで対応する場合は、プラスチックに限りませんので、「海洋プラスチック憲章」という名称でなく、「世界ゴミなし憲章」か「世界クリーン憲章」などとした方が良いのかもしれません。
人間のすることですから、どんなに法制化したり、罰則を重くしても、守らない人もいて、その対策として、プラスチック憲章なるものを作り、プラスチックを止めて、プラスチックを代替品に変えていこうということであれば、理解ができます。プラスチックが無くなれば、捨てる人がいても、海にプラスチックが流れ着くこともなくなります。
また、中国が廃プラスチックの受け入れを中止したことにより、先進国が行先のなくなったプラスチックの処理に頭を抱えることになりました。この中国の問題が、「海洋プラスチック憲章」の意義を高めたということも言えるでしょう。
純粋な気持ちで、プラスチック代替品を作って、置き換えていこうというのであれば大賛成ですが、この活動に、どこかの国の、利権が絡むことがないか、懸念します。
世界標準という言葉は良いのですが、過去の例を見ると、特定の国や、特定の業界の利権がらみの世界標準が謳われていました。
この懸念が無く、純粋に、海の環境を守る趣旨であれば、日本がなぜ、この「海洋プラスチック憲章」に
署名しないかが疑問です。日本での国内法が整備されておらず、社会に影響を与える程度が分からないから署名しなかったと言ってますが、同じことを何年も行ってます。政治のリーダシップもポリシーも全く、何もありません。
プラスチックという化学製品を、再利用な素材に置き換えていくことに、何も問題はありません。それだけでも、石油の消費量も少なくすることができます。置き換えていくことに、遅れた場合は、罰則がある場合は、慎重に検討が必要でしょう。方向性を出すことに何の躊躇がいるのでしょう?
「海洋プラスチック憲章」が述べていることは殆どが方向性です。ポリシーです。人類にとって、国民にとって、良くなる方向であれば、その方向に進むようにするべきではないのでしょうか?
立憲民主党は、
議員立法により「美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律」の改正案が提出され、「プラスチック類に関する施策の在り方を予防的アプローチにより不断に見直し、廃プラスチック類の削減を推進すること」、「廃プラスチックの発生抑制に向け、法的措置も含めた抜本的対策を検討し、必要な措置を講ずること」
と述べてますが、何でこんなに、分かりにくい、長々とした法案を考えるのでしょうか?ゴミの不法投棄の取り締まりの強化と、ゴミのポイ捨ての罰則化を進めて、実際に取りしまるように環境を整備すればいいのです。
国民が見た時に、何とも分かりにくいお題目を作って、政治活動をしているのだというジェスチャーにも覚えます。「美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律」と長々しいのですが、隔靴掻痒、具体的に何をするのかわかりません。「ゴミのポイ捨てを止める。ゴミを拾う」活動を具体的にやった方が早く、結果が出ます。
また、このように、海が汚され、この環境が、将来の人類にとてつもなく悪い影響を与える恐れがある時に、日本のメディアは、自分たち人類の、将来の子供や孫の問題として取り上げないのでしょうか?
有名な芸能人の浮気、ゴシップなどの話題や、コメディなどの笑えるテーマばかり取り上げるのではなく、将来の懸念に警鐘を与えるテーマを、もっと積極的に取り上げ、社会に真剣に考えてもらう雰囲気を醸成する社会的責任があるのではないかと思います。
もちろん、メディアも、第一に視聴率ありで、これを抜きにして、社会的問題を取り上げることはできないのでしょう。しかし、報道を仕事として考えると、社会的責任を視聴率を採りながら、果たしていく、工夫と、努力があるのではないでしょうか?
報道を仕事として考えなく、視聴率と会社の利益だけを考えるのであれば、報道が果たす社会的責任などと、高邁なことを言わないでほしいものです。
ー引用1件目ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
サステナビリティ・ESG投資 ニュースサイトよりの引用です。ー引用2件目ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 立憲民主党よりの引用【国際】G7シャルルボワ・サミット、海洋プラスチック憲章発表。日本と米国は署名せず 2018/06/11 最新ニュース
カナダで開催されたG7シャルルボワ・サミットは6月9日、海洋プラスチック問題等に対応するため世界各国に具体的な対策を促す「健康な海洋、海、レジリエントな沿岸地域社会のためのシャルルボワ・ブループリント」を採択した。さらに、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの5カ国とEUは、自国でのプラスチック規制強化を進める「海洋プラスチック憲章」に署名。一方、日本と米国は署名しなかった。さらに米国はブループリントについても、「気候変動に関わるものは留保する」と解釈を制限する宣言を行った。 海洋プラスチック問題とは、人間生活から廃棄されるプラスチックごみが沿岸部や海に流出し、生態系破壊や人体への健康被害、沿岸部の経済社会へのダメージ等を引き起こしている問題。海洋プラスチックごみの量については、2015年に学術誌サイエンスが年間800万tとし、以後、国際機関や各国政府もこの統計を基準としている。しかし、年間800万tの計算は2010年のデータを基にしているため、8年経った現在は、それより遥かに増えている可能性が高い。 今回のブループリントでは、沿岸部地域社会の保護、知見やデータの向上、海洋資源保護、プラスチック資源のライフサイクル観点アプローチに4テーマについて、合計7項目のコミットメントを宣言。沿岸部対策では、海洋プラスチック問題とともに気候変動による海面上昇や高潮リスクに苛まれており、リスクへの対応、財政支援、観測技術の開発を実施。海洋資源保護では、IUU漁業の撲滅や、国際条約に基づく公開上の海洋保護区指定等に言及した。 日本と米国が署名しなかった海洋プラスチック憲章では、さらに具体的な内容を規定した。主な内容は、G7サミットで、海洋プラスチック問題を扱うのは今回が初めてではない。2015年にドイツで開催されたG7エルマウ・サミットでは、海洋プラスチック問題に対処するアクションプランが定められ、2016年の日本でのG7伊勢志摩サミット、2017年のイタリアでのG7タオルミーナ・サミットでも再確認されている。2016年には、国連開発計画(UNEP)からも詳細な報告書も発行された。それを受け、EUや英国、米国の一部州や市ではすでに、プラスチック用品の使用を大規模に規制する法案が審議に入っている。 日本政府は今回海洋プラスチック憲章に署名しなかった理由として、プラスチックごみを削減するという趣旨には賛成しているが、国内法が整備されていないため、社会に影響を与える程度が現段階でわからず署名できなかったと説明している。しかし、2015年からすでに3年が経過している。2016年には自国でのG7サミットでも再確認しているにもかかわらず、迅速な対応をしていなかったことを露呈した形となった。 欧州ではすでに産業界も動き出している。P&Gやユニリーバはすでに、リサイクル可能または堆肥化可能なプラスチック容器の使用や、容器製造での再生素材利用率向上の定量目標を掲げている。英国マクドナルドもプラスチック・ストローの利用停止計画を発表した。いずれも企業の自主的な発表で、将来の規制リスクや移行リスクを積極的に先取りした動きと言える。 機関投資家も、海洋プラスチック問題でアクションを起こし始めた。欧州委員会、欧州投資銀行(EIB)、世界自然保護基金(WWF)、英チャールズ皇太子のInternational Sustainability Unit(PUFISU)は3月8日、持続可能な海洋経済のための金融原則「Sustainable Blue Economy Finance Principles(ブルーファイナンス原則)」を発足。大手の機関投資家も同原則に署名をし始めている。
- 2030年までに、プラスチック用品を全て、再利用可能あるいはリサイクル可能、またどうしても再利用やリサイクル不可能な場合は、熱源利用等の他の用途への活用(リカバリー)に転換する
- 不必要な使い捨てプラスチック用品を著しく削減し、プラスチック代替品の環境インパクトも考慮する
- プラスチックゴミ削減や再生素材品市場を活性化するため政府公共調達を活用する
- 2030年までに、可能な製品について、プラスチック用品の再生素材利用率を50%以上に上げる
- プラスチック容器の再利用またはリサイクル率を2030年までに55%以上、2040年までに100%に上げる
- プラスチック利用削減に向けサプライチェーン全体で取り組むアプローチを採用する
- 海洋プラスチック生成削減や既存ゴミの清掃に向けた技術開発分野への投資を加速させる
- 逸失・投棄漁具(ALDFG)等の漁業用品の回収作業に対する投資等を謳った2015年のG7サミット宣言実行を加速化する
G7海洋プラスチック憲章に日本が署名しなかった件について
2018年6月8~9日、カナダでG7シャルルボア・サミットが開催されました。持続可能な海洋と漁業を促進させ、沿岸及び沿岸コミュニティを支援し、海洋プラスチック廃棄物や海洋ごみに対処するとした「健全な海洋及び強靭な沿岸部コミュニティのためのシャルルボア・ブループリント」はG7すべての国が承認しました。しかし、プラスチックの製造、使用、管理及び廃棄に関する現行のアプローチが、海洋環境、生活及び潜在的に人間の健康に重大な脅威をもたらすことを認識し、効率性の高い資源管理のアプローチにコミットするとした「G7海洋プラスチック憲章」には、日本とアメリカだけが署名しませんでした。 今国会では、議員立法により「美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律」の改正案が提出され、「プラスチック類に関する施策の在り方を予防的アプローチにより不断に見直し、廃プラスチック類の削減を推進すること」、「廃プラスチックの発生抑制に向け、法的措置も含めた抜本的対策を検討し、必要な措置を講ずること」などを含んだ委員会決議が採択されています。それにもかかわらず、なぜ日本は「海洋プラスチック憲章」に署名できなかったのでしょうか。これまでのG7会合でもその他の国際会議でも海洋プラスチックの問題は再三指摘されており、今回初めて議論になったわけではありません。国会で議論が進むこのタイミングで、日本が前向きな姿勢を国際社会に打ち出すことができなかったことは残念でなりません。 海を汚染するプラスチックは、レジ袋やペットボトルなど、人間の経済活動で一度しか使われないまま捨てられたものが多くを占めています。2016年スイス・ダボス世界経済フォーラムでは、世界の海を漂うプラスチックの量は、重量換算で2050年までに魚の量を上回るという予測を発表しました。廃プラスチックによる海洋汚染の問題は、リサイクル率を向上させるだけでは解決しません。生産・流通の段階から、責任をもって取り組む必要があります。 立憲民主党では、市民団体や有識者のご意見を真摯(しんし)にお聞きし、具体的で有効な廃プラスチック対策を提案すべく、議論を進めてまいります。 【写真】プラスチックのごみで溢れる水の中で泳ぐ少年。マニラ近くのビーチにて。 © Daniel Müller / Greenpeace