レジ袋・レジ袋・レジ袋

2019年6月8日中日新聞より

読みにくいので、文字を起こします。

廃プラスチックによる海洋汚染の象徴的な存在、使い捨てのレジ袋。来夏にも全国一律に有料化される見通しだ。「いりません」。その一言が、大量消費、大量廃棄の悪循環を断ち切る第一歩。

二〇〇二年、東京都杉並区は、レジ袋一枚につき五円を小売業者に課税する「すぎなみ環境目的税条例」を制定した。
 制定はしたものの施行には猶予期間を設け、定められた削減目標が自主的に達成されなければ、課税に踏み切ることになっていた。

しかし、目標は達成されないままに区は方針を転換し、○八年に廃止になった。「客が区外に流れてしまう」-。
 主にコンビニ業界から強い反発が起きていた。
 自治体や地域ごとに、ばらつきが出ないよう、全国一律の有料化を国に求める声は当初から、コンビニを含む小売業界側が上げていた。それから十一年、廃プラスチックによる海の環境汚染は、今や温暖化と並ぶ地球環境問題だ。今月下旬に大阪で開催されるG20のサミットや来年の東京五輪で貢献をアピールしたい首相の意向もくんで、政府としても、重い腰を上げたということだろう。

有料化は課税とは違う。販売価格などは事業者に任される。
 法制化の方針は、今月十五日から長野県軽井沢町で開かれるG20のエネルギー・環境閣僚会合で報告されるというが、廃プラ回収のルールなどを定めた容器包装リサイクル法の改正で対応するのか、新法をつくるのか。売り上げは何に使うのか。罰則はどうするか:・。詳細はこれからだ。
 実は廃プラ全体の中でレジ袋が占める割合は決して大きくない。有料化自体、最善の策とは言えず、”強制”には反発もつき物だ。家庭ごみ袋有料化後の傾向から見て、消費者の”慣れ”によるリバウンド(揺り戻し)も起きるだろう。だがレジ袋は身近なものだけに、その有料化は廃プラ全体の発生抑制へと進んでいくためのだけでなく、弾みにはなるはずだ。
 飲食、ホテル業界大手コンビニチェーンも紙製容器への切り替えなど、″脱プラスチック″に向かい始めた。微生物に分解される代替素材の実用化も急速に進んでいる。
 こうした流れにさおをさし、消費者をそこへ無理なくいざなう仕組みをつくることができるのか-。日本政府の本気度は、大阪サミットが終わったあとに試される。


2019年6月17日中日新聞より

読みにくいので、文字を起こします。

レジ袋来年4月有料化 事前通告なし環境省困惑
 世耕弘成経済産業相がG20エネルギー・環境相会合で打ち出した来年四月のレジ袋有料化方針を巡り、環境省内に当惑が広がっている。経産相は現行法の省令改正で進める考えを示したが、新法令を念頭に準備を進めていた環境省への事前通告はなく「来年四月一日にも」とした導入時期も経産、環境両省の調整がないままの表明だったためだ。
 この問題では、原田義昭環境相が三日の記者会見で、レジ袋の有料化に向け「法令を新たに制定する」とした文書を公表。

「二〇二〇年東京五輪に遅れないよう、今年か来年ぐらいにはできることをやらないといけない」と述べた。
 これを受けて省内では「国民生活への影響もある。国会で新たな法令の議論をしてもらうほうがいい」 (幹部)との意見が浮上。ただ有識者会議の設置などを考えれば来年通常国会への法案提出というハードルは高く、実施が二I年にずれ込む可能性もあった。
 これに対し、世耕氏の主張は現行「容器包装リサイクル法」の省令改正。同法はレジ袋や食品トレーなどの削減努力を小売業者に求めており、省令にはレジ袋有料化やマイバッグ持参者へのポイント還元といった取り組みに関する規定もある。

 世耕氏の発言について、経産省幹部は「具体的な制度の在り方は関係省庁で調整する」とし、東京五輪までの実施を目指す考えだと説明。環境省幹部も「早急に始めたい思いは同じだ」と話す。
 だがレジ袋有料化を容器包装リサイクル法の省令改正で行えば、流通業界を所管する経産省の影響力が強まりかねない。環境省内からは「議論の主導権を奪われ、業界の主張が強く反映される可能性がある」と危ぶむ声も出ている。

いつまで、無駄な、効果のない、議論を続けるのでしょう。

無駄な、効果のない議論を続けることは、環境省の公務員にとって、永遠に仕事が無くらない。効率的な、効果が出るとそこで仕事が完了していまい、組織縮小などの自己否定につながるから、このような、馬鹿な議論が続いているのではないかとうがった見方をしてしまいます。

廃プラスチックの象徴として、レジ袋の有料化を議論してますが、プラスチックのストローの使用をやめようということと同じで、大量に海に流れ込むプラスチックの減少には、殆ど関係ありません。

レジ袋は、そのまま生活ごみと一緒に出せば、重油の燃料の節減になります。プラスチックのストローも、普通は、使用後に、お店で回収して、再生プラスチックで資源ごみに出せば、海に流れ込むことはありません。

町で、ポイ捨てゴミを拾って、そのごみの種類を自分の目で確かめると、レジ袋も、プラスチックストローも、さほど多くありません。一番多いのは、たばこの吸い殻、たばこの空箱、ペットボトル、飲み物のプラスチック製カップ、ジュースの空き缶、お菓子の包装袋(セロファンのようなもの)、紙などです。

海を汚染している、プラスチックごみは、これらのポイ捨てされたものや、漁師の使い古されたプラスチック製漁具のポイ捨てなのです。これらを止めなければ、海の汚染を止めることはできません。

廃プラスチックの象徴として、レジ袋に焦点を当てるのであれば、レジ袋を要らないと言えば、その分、値引きをするように、行政指導すべきなのです。レジ袋を有料化して、レジ袋を減らそうという発想そのものが、消費者心理を理解していない、頭で考える役人の思考なのでしょう。

消費者心理は、安くなる方向に働きます。値段を取るからやめさせるというのではなく、従来の値段より、安くなるからその選択をするのです。考え方が、全く逆です。

スーバーで一番、プラスチックが多いには、魚やお肉をいれているプラスチック製皿(食品トレー)です。お菓子や商品を包んでいる包装袋です。家から容器を持参して、その容器に魚や肉を入れてもらい、食品トレーを使わないときは、その分、値段を下げるようにすれば、消費者は、家から容器を持ってくる手間を惜しまないでしょう。プラスチックを使わなければ、安くなるということが、プラスチックを無くしていく方向に働きます。現実の社会は、身の回りプラスチック製品ばかりです。すでに、プラスチック製品で埋もれてしまっていると言っても過言ではありません。これらを有料化するので、使うのは、止めなさいというのは、無理があります。なぜなら、現状それで、回っているからです。安くなるので使うのを止めようとなると、消費者はそれでは、安い方が良いとなるのです。

レジ袋の有料化に対して、経産省と、環境省が、主導権を争っているという記事を見ると、怒りというか、諦めというか、この日本という国が、ガラパゴスそのもの、果たして、将来に対しての希望が持てるのだろうかという深い感慨を持てってしまします。

経産省も、環境省も、一種公務員試験を合格した頭脳優秀な人たちなのですが、なにせ、頭だけで考える人たちなのでしょう。いちど、街に出て、ゴミ拾いを1カ月でもいいのでやってみてください。実際に、ゴミ袋を持って、ゴミ拾いのトングを持ってゴミを拾ってみてください。頭で考えているより、どのようなゴミがポイ捨てしてあるか、どれほど、街が汚れているか、繁華街の道路のごみの散乱。いままで、ゴミに目を向けることなく、全く気が付かなかったごみの多さに驚くはずです。

人は、これほど、無責任に、ゴミをポイ捨てするのか、自分の家でなければ、自分の庭でなければ、ゴミを捨てても、何の痛痒も感じない人間がこれほど多いのかということに気が付きます。これほど、自分の家、庭は、大事にし、人の道路には、どんなに汚くなっても、自分さえよければ良いという、あまりにも、公共性のない、自分さえよければ良いのいう、自己中心的な人間が多いことに気が付きます。

海の汚染を防ぐためには、ゴミのポイ捨てを無くすことから始めなければ、効果は期待できないのです。

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