掃除道に生きる 田中 義人さん

2019年9月17日の中日新聞です。この記事を読んで、感銘を受けました。

ゴミのポイ捨ては絶対ダメと掃除道とは、全く異なりますが、求める結果に共通点があると思います。

この記事をご紹介したいと思いました。

掃除道に生きる

目然体の人生観に到達できる世界

読みにくいので、文字を起こします。

「掃除を通じて、世の中から心の荒みをなくしていきたい」
「掃除道」を唱えた鍵山秀三郎さん(イエローハット創業者)の思いに出会ったのは、一九九一年秋。バブル崩壊で、経営する会社の業績が急速に悪化し、存続が危ぶまれる事態に直面していたときでした。

 心身ともにもっとも辛い時期だったこともあるでしょうが、なぜか、この言葉に導かれ、さっそく翌朝から自宅前にある神社の境内の掃除を始めました。
 当初はゴミ袋がすぐにいっぱいになるほどでしたが、毎朝ひとりで続けていると、半年ほどで境内はずいぶんきれいになりました。すると、子どもたちはゴミを捨てなくなり、氏子たちの手で壊れていた遊具も修繕され、神社という空間が様変わりしたのです。

ゴミが散乱していた時には何の変化もなかったのに、掃除が良い変化をもたらすことを実感しました。
 そこで、社内でも徹底した清掃を行うことにしました。工場の作業場や機械類はもちろん、事務所からトイレまで、すべてです。ところが、戸惑う社員も多く、掃除が嫌で退社する人も出ました。それでも毎朝、掃除を続けていくうちに、汚れ放題で足の踏み場もなかった職場は整然とした居心地のいい職場に生まれ変わりました。社員の意識も変わり、信頼関係が生まれ、仕事に対する価値観を共有することができるようになり、結果として業績は好転、危機を乗り切ることができたのです。

私は、掃除という行為の秘めた効果と奥深恣を確信しました。
 九三年秋、岐阜県明智町(現・恵那市)にある日本大正村で、鍵山秀三郎さんたちとともに第一回「掃除に学ぶ会」を開催し、「日本を美しくする会」を立ち上げました。
 その後、賛同の輪が広がり、学校、寺社、企業、地域社会(街頭)などで掃除を実践、国内では四十七都道府県のすべて、海外では中国、台湾、ブラジル、ルーマニア、イタリア、トルコ、ハンガリー、チェコのハカ国・地域に活動拠点を置く一大ムーブメントとなりました。

 掃除に魅せられたのは、私だけではないのです。
 掃除を敬遠する人は少なくありませんし、とくにトイレの掃除は嫌われがちです。
にもかかわらず、多くの人を引きつけるのは、掃除を続けた人なら到達できる世界があるからです。
 まず、自己意識の変革。無心になって目前の汚れを取り去る行為は、無意識のうちに感性を磨き、今まで知らなかった自身を気づかせ、さまざまな学びを身につけ、人間力を高めます。

 次に、環境を作る達成感です。身近な環境を美しくすることは、周囲の人に喜ばれ、自身の人生を豊かにします。環境の美化を通じて心の浄化が進むのです。
 さらに、多くの人と一緒に行動することで得られる価値観の共有です。優秀な三人が集まっても価値観が違
うと成果を上げにくいです が、普通の人でも価値観が そろうと大仕事ができるようになります。
  掃除は、自発的に取り組んでこそ効果が生まれるのであって、強制されたのでは心までは磨けません。

  最近は、働き方改革や衛生上の面から、掃除のスタイルは変わりつつありますが、掃除がもたらす効用は変わりません。
  「掃除道」に生きて二十七年余が経ちました。私の人生観は「もっと、もっと」という欲求追求から、「今を受け入れ、今あるものを活かしていく」という 自然体に変わりました。
 物に依存した価値観から心を大切にした生き方へのシフトであり、経営においては利益拡大志向から社員の成長や社会貢献重視への転換でした。
  掃除を通して身近な環境を少しでも良くしていくことができれば、必ず世の中は良くなっていくと信じています。

写真の説明:
京都市の繁華街・木屋町で8月10日に行われた街頭清掃。外国人や子どもも参加した。右端が筆者
 
  (たなか・よしひと=日本を美しくする会顧問、東海神栄電子工業会長)

田中 義人さんに関する記事を見つけました。

田中義人のブログ 掃除道に生きる https://www.tsk-pcb.co.jp/blog-tanaka/
NPO法人 日本を美しくする会 掃除に学ぶ会 http://www.souji.jp/index.html
日本を美しくする会 田中義人元会長講演会 平成28年1月 https://gorikku.at.webry.info/201705/article_1.html

掃除道を始めたイェローハットの鍵山秀三郎さんに関する記事も結構ありました。

鍵山秀三郎イエローハット創業者 心が澄んでくる「そうじ」のやりかた  https://gendai.ismedia.jp/articles/-/1753
81歳創業者は、なぜトイレを素手で磨くのか https://toyokeizai.net/articles/-/54721
鍵山秀三郎氏の生き方に学ぶ ~掃除の大切さ、毎日続けること~  http://www.tos-land.net/teaching_plan/contents/20536

汚れた場所を掃除をする、トイレの便器を素手で磨く、だれもがすぐにできる行為ではありません。崇高な行為に違いありません。掃除を自己研鑽、精神修養の方法と考えて、一つの道と説くことに意味があるのでしょう。

 

この掃除道の先に、「無心になって目前の汚れを取り去る行為は、無意識のうちに感性を磨き、今まで知らなかった自身を気づかせ、さまざまな学びを身につけ、人間力を高めます。」があるのでしょう。

ゴミのポイ捨てをする人は、環境に極端に鈍感な人か、利己主義の人だと思っています。汚いことにも鈍感。自分の子供や、子孫のことにも鈍感。自分さえよければ良い。自分の家の中にだけ、自分の庭の中にだけ、ゴミが散乱していなければ良い。自分が使う公園や、散歩道や、歩く町の道路がどんなにゴミがあっても、どんなに汚くても気にならない。そして、気にならないから、手に持っている邪魔なゴミをポイ捨てします。質の悪い利己主義と言っても過言ではありません。

このような、環境に極端に鈍感な人や、利己主義の人の考え方、生き方を変える方法に、掃除道があるのでしょう。

この掃除道について、田中義人氏に面会して、ゴミのポイ捨てをしなくなるような啓発方法を、お伺いして、結果をこのページで報告することにします。

2019年10月4日に田中義人氏に面会することができました。

面会した時の状況をこちらのページで紹介します。「掃除道、田中義人さんより指南を受けました。

 

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